はじめに


 初めての方は初めまして。久しぶりにトランプゲーム・『大富豪』の記事を書かせていただきます。

鋭い方はお気付きかもしれませんが、コンピューターゲームの大富豪において手札はある法則に基づいた規則正しい配列があります。

今回はこれを利用した戦術をお教えします。


注意

  • ※この記事はコンピューターゲームに限定した内容です。
  • 実物のトランプでは通用しません。


手引きには書かれない知られざる法則


並び順をマスターしよう。

 皆さんも同じ数字が4枚揃った革命が出来る手札を目にした事は、度々ご経験があるかと思います。

4枚組が2組あったら、その両方をよーくご覧ください。

どちらもスートが同じ並び方になっているはずです。


jkを2枚手にすることもよくあるでしょう。

もし絵柄が異なる2枚のルールとして配信している業者を利用した場合、それも必ず毎回同じ並び方をします。


オンライン対戦の大富豪を配信している業者は色々ありますが、コンピューター故に必ずカードが規則正しい配列になってしまうのが現状です。
私が知る限りの業者で発見した並び順を以下に示します。

ハンゲーム大富豪での並び方

左から順に


♠ ♦ ♥ 


といった並び方です。

こちらで使うjkには2種類の絵柄があり

狐 悪魔


の順で並んでいます。


Yahoo!モバゲー大富豪での並び方

こちらは左から順に


♦ ♣ ♥ 

という並び方をしています。

2枚あるjkの絵柄は同じなので判別出来ません。


アメーバピグ大富豪での並び方

左から


♠ ♣ ♦ ♥


です。

こちらもjkは2枚とも絵柄が異なり


鼠 小悪魔


の順に並びます。

アットゲームズ大富豪での並び方

こちらの業者では


♠ ♥ ♣ 


の順に設定されています。

使用するjkは1枚です。


SDIN大富豪での並び方

ここでは


♦ 


の設定となっています。

使用するjkは1枚です。


大富豪オンラインでの並び方

こちらは


♠ ♣ ♥ ♦


の順に左から並びます。

使用するjkは2枚まで選択可能。絵柄は両方とも同じです。



並び順が何の役に立つのか

 

注意

  • この章では一律、左から順に♣♦♥♠と並ぶ設定で話を進めます。


例えばカードの交換で

 大貧民が交換前に2を4枚持っていたら、♥2と♠2が大富豪へ渡ります。

これは何れの業者も『貧民側プレイヤーの右端にあるカードを既定の枚数だけ取る』仕様だからです。

なので大富豪の立場から見たとき、もし♣2を貰ったとしたら大貧民に2は無いと解ります。


絵柄の異なるjkを使うルールであれば、貧民がjkjkを持っていた場合、こちらも右側にあるjkを勝手に富豪に渡す仕様ですので、貧民が持てるjkは事実上左のjkだけです。(もちろん富豪が貧民にjkを渡す場合もあります。


これらの論理を利用して

 この法則性を知っておけば、交換をしていないプレイヤーの手札が少し見えてきます。


●自分が大富豪でjkjkを持っている場合

・貧民に♠2は無いと解る。或いは富豪から♠2を貰うしかない。

・貧民は2を3枚までしか持てない。


●自分が富豪でjkを持っている場合

・右側のjkを貰った場合、1/17の確率で貧民がjkを持っている。

・左側のjkを手にした場合、ほぼ間違いなく大富豪がjkを持っている。


●自分が大富豪でjkが無い場合

・左側のjkが先に出た場合、貧民にjkは無い。

・富豪が手札3枚の時に左のjkから先に出してきたら、1手で上がることは出来ない。(Yahooを除く)


●自分が貧民で大貧民が♠2を出したのを確認

・大富豪がjkjkを持っている。

・富豪にjkは無い。


●大貧民から♣10を貰った

・大貧民の手札は3~9しかない。

・J以上を2手渡せば、大貧民の手札は悪くても7手だったのが9手に増える。

・勿論良くて2手構成だったのを4手に増やせるのは大きい。



人間、案外横着者だったりする。

 私が観測した試合から言える事ですが、縛りがかかっていない時に 2222を22と22に分割する場合、多くのプレイヤー達は隣り合った2つのスートの組み合わせを出してくる習性があります。

我々が"ペアを出す"操作をする場合、


 ①まず出したい数字のうち、左側にあるカードをクリックして、

 ②マウスカーソルを右に動かしてから、

 ③カーソルを止めた所にあるカードをクリックし、

 ④マウスカーソルを『出す』のボタンに合わせて、

 ⑤最後に『出す』ボタンをクリック。


という手順を踏むのが一般的です。

♣2 ♦2で出すのと、♣2 ♠2とでは、②の動作においてカーソルを右へ動かす距離が違います。

横着者な人間が多いのか、大抵どのプレイヤーもカーソルの移動距離が短い出し方を本能的に行います。


鋭い人間はこの習性を知っていたりします。そこでそのプレイヤー相手に♣♠の組み合わせで出してみたらどうでしょう?

自分にが無いと見せかけて実は持っていた、なんてフェイクができたりします。

これらを利用すれば、例えば・・・・


●自分が大富豪でjkjkを所有。富豪は手札5枚から♣2 ♦2を出してきた場合

・富豪は♥2か♠2、あるいはその両方を持っている。

・今自分がパスしても富豪は1手で上がれない。

・次に出してくる22にjkjkを出した方が、富豪が切り札を失うことになるから得。


このような事が読み取れます。

もし♦2の代わりに♠2を出してきたら、もう読み切れませんね。


サポートにも利用しよう。

 スートによってカードの交換の優先度が異なることは学びました。

従って、富豪は交換の優先度の高い物しか貧民から貰えないのに対し、大富豪は優先度の高い物も低い物も大貧民から貰える事になります。

なので優先度の低いスートで縛ると、富豪がパスをした挙句、大富豪が2で切って流してくる可能性が大です。

出せば縛りになるが、出さねば手損してしまうような場合は、優先度の高いスートで縛った方が富豪に優しく対応できるかもしれません。

優先度の低い縛りになる場合は、潔く出すのをあきらめましょう。

ここで、富豪側に渡していた2が何のスートかを記憶しておくと、縛って良いかどうかを判断出来ますね。



並び順を活かした詰み問題

 全国の非常にマニアックなプレイヤー達が、色々な詰めの手筋を考えさせる問題を出してくれました。

一例を紹介しますので、皆さんも考えてみましょう。

模範解答は白字で書きますので、ドラッグして読んでみて下さい。


例題1

業者:アメーバピグ・レッド(♠♣♦♥)

あなたは大富豪です。現在の手札は


♠3 ♣3 ♦2


今までにjkは0枚出ています。

上家の富豪の手札は残り3枚です。

そこから富豪の番でjkを1枚出してきました。

このjkの絵柄は鼠でした。

さて、あなたの番がやってきましたが、ここはどういう手で行くのが良いでしょうか?

なお、富豪は交換で貧民にjkを渡さず、且つ反則上がりをしない前提でお答えください。



答え

  • パスする。
  • 貧民にjkは無い。なぜなら並び順で左にくる鼠のjkを富豪が持っていたということは、残るもう片方のjkも富豪にあるということ。
  • 加えて富豪は鼠のjkを出した後は残り2枚なので、次は小悪魔のjkを1枚だけ出すしかない。
  • その時点になったら♠3で切って流す。jkが出尽くしたので♦2は必ず流れる。



例題2

業者:ハンゲーム(♠♦♥♣)

あなたは大富豪です。
大貧民からはjkではないものを貰った覚えがあります。
以下が現在のあなたの手札です。

♦3 ♥3 ♥Q ♣Q ♥A ♣A jk jk

これまでに2は0枚、Aは1枚、Kは2枚出ています。
貧民・大貧民の手札はそれぞれ10枚ずつです。
富豪が5枚の手札から♠2 ♦2のペアを出してきました。
さて、あなたはここでどう応じるべきでしょうか?



答え

  • パスする。
  • 大貧民と自分に2は無いので、♥2と♣2は貧民か富豪にある。
  • 富豪は優先度の低い♠♦の組み合わせを出してきた。
  • ハンゲームの交換のルールでは、富豪側は貧民側から貰った物を返品出来ない。
  • したがって富豪が♣2を貧民に渡したとしても、貧民は♥2を富豪に勝手に渡してしまうし、貧民に♥2が無かった場合は必ず富豪の手札にそれが残る。
  • よって、富豪は3枚以上ある2から2枚を崩して出した事になる。

  • パスをすれば富豪は次に2を1枚以上出さねばならない。
  • もし♣2であればそれにjkを出せば流せる。
  • この時点で富豪の手札はあと2枚なので、QQ+jkを出す。Kは残り2枚なので流れ。
  • 次はAA。2はあと1枚なので流れ。最後は33で上がり。
  • もし♥2 ♣2を出された場合は、jkjkで返して流す。
  • 次にQQ。富豪は手札1枚、貧民・大貧民は10枚なので、富豪にKKは出せない。
  • 縛られてもAAで対応でき、2が4枚出たので切って流し33で上がり。



例題3

業者:ハンゲーム(♠♦♥♣)

あなたは貧民です。現在の手札は


♣9 ♦10 ♠K ♣K ♥2 jk


富豪がKK→AA→22+jk→♠5 ♥5を出して1着で上がりました。

そのあとで大貧民が♦7 ♣7を出してきて、あなたの番が来ました。

大貧民の手札はあと6枚です。

さて、あなたはこの後、どうすれば良いでしょうか?

なお、大富豪は大貧民にK以下のカードを渡したという前提でお答え下さい。



答え

  • ♠K+jkを出す。
  • 条件から貧民と富豪の2名でKKKK、AA、222、jkjkを持っている。
  • 仮に大貧民が残るAA 2を持っていたとしてもAと2は大富豪に渡さねばならず、少なくともAは優先度の高い♣ではない為、大貧民の最高のカードは♠か♦か♥のAを1枚と残るはQ以下のカードである。

  • ♠K+jkのペアで出せば、大貧民は♣以外のAを1枚しか持っていないので流れる。
  • 次に♣9を出し、縛られたら♣Kで返して流す。後は♥2→♦10と出して上がり。
  • ♣9に♠Aを出された場合は、♥2で返す。これでA以上がお互い無くなったため、♣K→♦10と出して上がり。



例題4

私の考えた問題です。


業者:ハンゲーム(♠♦♥♣)

あなたは大富豪です。20点獲得しています。

現在の手札は


♥3 ♣3 ♠4 ♦K ♦A ♦2 jk


現在革命が起きています。jkはまだ出ていません。

手札枚数は、大貧民が1枚、貧民が3枚、富豪が5枚です。

得点は、富豪が23点、貧民が22点です。

富豪はこのゲームのカード交換を行うときと現在は接続切れになっています。

親を取った富豪が♠5 ♣5を出してきました。

さて、あなたはここでどう出していくのが最善だと思いますか?

なお、大貧民・貧民は反則上がりをしない、富豪は接続切れから戻ってこないものとしてお考え下さい。



答え

  • ♠4+jkを出す。
  • 交換前に富豪が♠3と♦3を持っていた場合、接続切れであれば自動的に左側にある♠3を貧民に渡してしまう。
  • 故に、富豪の残る3枚の手札は

  • ①♦3 ♦4 jk
  • ②4 4 jk

  • この2通りに限られる。
  • 貧民も富豪も♠♣の組み合わせの33を出せない為、♠4+jkは流れ。
  • 33→KA2と出せばこれに返せるのは富豪のみだが、反則上がりになるため得点にならない。
  • ♦3 ♦4 jkで流れるので大貧民が親になって最後の1枚を出して上がり。

  • もし大貧民が23点だったら試合終了なのでは?と思いがちだが、大貧民は22点以下という証拠が出ている。
  • ハンゲームでは一局終了後に、大富豪2点、富豪1点、貧民以下0点の加算がされるので、4人の得点総和が必ず3の倍数である。

  • 20+23+22=65点

  • これに23点を加えると88点となり成立しない。大貧民が22点であれば総和87点、3の倍数なので成立する。


例題5

これは私の知る限り最も難しい詰み問題です。

この業者はサービスを打ち切っていますので検証は不可能ですが、模範解答は大変美しい内容となっています。


業者:2004年頃のネクソン(♣♥♦♠)

あなたは大富豪です。

今はカードを交換する前の時点で、以下の手札を持っています。


♣3 ♦4 ♠5 ♥6 ♣7 ♠9 ♣10 ♥J ♥Q ♦K ♠A jk jk


大貧民の手札は14枚で、左の山(※1)には6枚、右の山には8枚あります。

ここでどのような交換を行えば確実に勝てるかを考えて下さい。



昔のネクソン大富豪のルールについて

  • ※1:カードの交換方法は、まず貧民側が手札を伏せて、富豪側が裏向きのまま好きなカードを引き、それから富豪側が手札から渡したいカードを選ぶ、という方法です。
  • この時、貧民側の手札が2つのに分けられ、右の山には8と2とjkしか入っていません。
  • 両方の山も弱いカードが左から順に配置され、右にあるカードほど強いカードとなります。

  • ※2:また、当時はこんなルールが採用されていました。
  • スペ3返し 8切り Jバック 反則上がり(2・jk・8・対jkの♠3) 都落ち 下克上
  • 上がり流し 縛り 数縛り エンペラー 等差数列 モノポリー 最強キャノン



答え

  • jkjkを渡し、右の山にある右から4番目と6番目のカードを取る。
  • 大貧民の右の山が8枚ということは、8と2を独占している。
  • 次に、旧ネクソンにはモノポリーというルールがあり、これは

  • ①jkが混ざっていない13枚の階段
  • ②jkが混ざっていない12種の数字で3組のエンペラー+それらとは異なる数字1枚

  • のうちいずれか一方を見せるだけで一番に上がれるというルールである。
  • このイベントはカード交換直後~先攻プレイヤーの第1ターン開始前にのみ発生する。
  • ただし見せられるのは1名まで。2名以上の申請があった場合、このイベントは無い。
  • 自分の手札に♦8と♣2が加われば、

  • (♣3 ♦4 ♠5 ♥6) ♣7 (♦8 ♠9 ♣10 ♥J) (♥Q ♦K ♠A ♣2)

  • この手札に変わり②の条件のモノポリーが成立する。
  • なのでスートの並び順により右から4番目が♣2で、6番目は♦8であると解る。

  • 大貧民は14枚のうち8枚が8・2・jkで構成されている為、どんなに多くても数字は9種類しかないのでモノポリー不成立。
  • 貧民と富豪も13種類の数字を持てない為、モノポリーは不成立。
  • これで大富豪がモノポリーを見せられる唯一のプレイヤーであるため、申請が受理され、大貧民の1ターン目を押し退けられる、『0ターンキル』を達成できる。



おわりに


役に立つ場面もあれば役に立たない場面もある。

 スートの並び順はある程度やりこまないと気付きにくい要素です。

この知識が活きてくる場面は、手札がある程度強く、且つ詰みの手筋に入った時です。

慣れてくるとそういう場面に度々出くわすことがありますので、勝てそうな手札で取りこぼすことなく必勝のパターンを構築できるようにしましょう。